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高専の寮費は月いくら?内訳と、親が見落としがちな出費
高専ライフ 📅 (更新: ✏️ めぐりん

高専の寮費は月いくら?内訳と、親が見落としがちな出費

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「寮費、月800円? 安い!」

各高専の公式サイトで「寄宿料」を見たとき、私は本当にそう思いました。

まったく違いました。

800
公式サイトの寄宿料(月)
5〜6万円
寮生活の実費(月・食費込み)
90〜115万円
寮生のモデル年額(基本)

この記事の目的は、「結局うちはいくら用意すればいいのか」を親が自分で計算できるようにすることです。

だから最初に、計算式つきの早見表を出します。次に、3つのモデルケースであなたの家に近いものを選べるようにします。細かい話はそのあとです。


1. 早見表:寮生活で1年間にかかるお金

「寮費」という言葉に何が含まれるかは学校によって違います。だから項目名ではなく、家計から出ていくお金を計算式つきで並べます。

毎年かかるもの

項目計算のしかた年額の目安
食費月4万円 × 12か月約48万円
寮費(寄宿料+運営費・光熱費等)月1万円 × 12か月約12万円
生活費・おこづかい家庭で決める(例:月1.7万円)約20万円
教科書・作業服など新年度にまとめて約5万円
帰省の交通費1往復の実費 × 帰省の回数(年3〜4回)3〜20万円
臨時の移動の予備(体調不良など)距離と、心配性の度合いで0〜10万円

💡 食費と寮費の「×12か月」は、予算を組むための上限寄りの置き方です。実際は日数計算で、欠食を申請すると控除される学校もあります。多めに置いて、余ったら別に回す——という考え方です。

💡 交通費だけは、必ず自分の数字を入れてください。 1往復1万円の家なら年3〜4万円。1往復5万円の家なら年15〜20万円。ここが家庭ごとにいちばん変わります。

そして「臨時」を別に置いてください。 帰省は予定できますが、体調を崩したときの移動は予定できません(第5章①)。我が家は、この2つを合わせて年30万円を置いています。

入学のときだけかかるもの

項目金額誰に
入学料84,600円全員
入寮の準備品(寝具・収納・生活用品など)約10万円寮に入る人だけ

つまり初年度の上乗せは、自宅から通うなら約8.5万円、寮に入るなら約18.5万円です。

人によってかかるもの

項目金額の目安誰に
寝具レンタル学校・業者による選んだ人
部活の遠征費大会による部活をやる人
短期海外研修1回20〜30万円(補助が出る場合はここから下がります)希望者だけ

2. 3つのモデルケース

上の表を「どこから通うか」で組み替えると、こうなります。

内訳1年間
A:自宅から通う教科書5+通学定期12+おこづかい12約30万円
B:寮・近県食費48+寮費12+おこづかい20+教科書5+交通5約90万円
C:寮・遠方食費48+寮費12+おこづかい20+教科書5+交通30約115万円

Cに希望制の短期海外研修(1回20〜30万円)が乗ると、140万円前後になります。

めぐりん めぐりん

AとCで、モデル上は1年に85万円の差があります。おこづかいの置き方も違うので全部が「通い方の差」ではないのですが、それでもどこから通うかでこれだけ変わるんですよね。

だから「高専は学費が安い」という話だけで進路を決めると、あとで計算が合わなくなります。

ここから先は、この数字がどこから来ているのかを1つずつ説明します。


3. なぜ「寄宿料800円」に見えるのか

いちばん誤解しやすいのがここです。

寄宿料は、部屋を借りる料金だけです。国立高専では複数人室700円・個室800円が標準的な額で、ここだけ見るとどの学校も同じに見えます。

でも、実際に請求されるのは、この3つの合計です。

項目月額の目安学校差
寄宿料700〜800円ほぼ共通
運営費・光熱費・清掃費など6,000〜14,000円大きい
食費40,000〜48,000円大きい

公式サイトで金額を全部公開している2校を、そのまま並べます。

香川高専長野高専
寄宿料700〜800円800円(個室)
運営費・光熱費等6,500円6,000円
厚生費400円
設備維持費500円(3,000円/半年)
エアコン費4,100円
ネットワーク費1,000円
食費40,920円(31日分)48,000円
月の合計約49,000円約59,900円

(香川=公式サイト掲載額/食費は令和6年11月1日〜。長野=令和7年5月現在の公表額。寮生会費など別途かかるものもあります。必ず志望校の最新情報をご確認ください

同じ「高専の寮」でも、月に約1.1万円の差があります。 年間で約13万円。進学先を決める前に知っておきたい規模です。

そして費目の名前がこれだけ違うのも見てください。片方に「厚生費」があり、もう片方に「ネットワーク費」がある。項目名で比べても意味がないというのは、こういうことです。


4. なぜ学校で差がつくのか(高い学校が悪いわけではありません)

理由は、だいたい3つでした。

① 地域(暖房費)

寒い地域の高専は、暖房のための燃料費がかかります。電気や重油の価格が上がった場合に追加徴収があり得ると、あらかじめ案内している学校もあります。

これは学校の努力不足ではなく、その土地で暮らすために必要な費用です。逆に暖かい地域なら冷房費がかかります。

② 食事の形(何食つくか・日数)

食費は「1日あたり◯円 × 日数」で計算されます。同じ月額でも、3食か朝夕2食か/土日も出るか/欠食を申請して返金されるかで、実際の負担が変わります。

③ 設備と、その費用の取り方

エアコン費が別項目で月4,100円(リース代+電気料)という学校もあります。設備そのものより、何を寮費に含め、何を別に徴収するかの違いが、表面の金額を変えています。


5. 公式の月額表だけでは、見落としやすい費用

寮費は調べれば分かります。でも、調べても出てこない出費があります。 ここからが、この記事のいちばん書きたかったところです。

① 体調を崩したとき、親が迎えに行くことがある

保護者の迎えを求める学校があります。 苫小牧高専の学生寮Q&Aには、こう書かれています。

インフルエンザ等では保護者の方に迎えに来てもらい、帰省して完治するまで自宅で療養 (苫小牧高専 学生寮Q&A

同じような案内をしている高専は、ほかにもあります。 「感染症の疑いがあるときは保護者に迎えに来てもらう」という考え方は、集団生活である以上、めずらしいものではありません。

つまり——県外に進学した場合、感染症にかかるたびに親が迎えに行く、ということが起こりえます。

金額は、迎えに行く手段(車か公共交通か)と距離で、まったく変わります。 ここは各家庭で計算してもらうしかありません。

ただ、この記事で伝えたいのは金額のほうではありません。

② 長期休業中に閉寮する学校がある

同じ苫小牧高専のQ&Aには、こうも書かれています。

長期休業期間中は閉寮となり、残寮することは認められていません。 (同ページ

閉寮する学校の場合、その期間は帰省が前提です。春・夏・冬の3回とも閉寮する学校なら、年3回の往復交通費が確定でかかります。 ここに、盆や正月の繁忙期料金が乗ることもあります。

早見表の「交通費5〜30万円」という幅は、ここから来ています。閉寮かどうかは学校によるので、必ず確認してください。

③ 部活をやるなら、遠征費

高専には高専体育大会(高専大会)があります。大会の区分や開催地によっては、会場が遠方になることがあります。その場合はホテル代と交通費が乗ります。

一部は学校から補助が出ます。ただ、どこまでが補助の対象なのかは、年度によって違う場合があります。 「去年はこうだったから今年も同じ」で計算しないほうが安全です。

④ そして、金額は途中で上がります

これは実感として、いちばん書いておきたいことです。

入学時の金額が、5年間続くとは限りません。 我が家は在学中に、食費の値上げの通知を受けました。物価が上がれば、食材費も燃料費も上がります。

上で引用したとおり、燃料価格によっては追加徴収があり得ると公式に明記している学校もあります

だから、5年分の計画を立てるときは——いまの金額の、少し上で見ておくほうが安全です。


6. 2026年度の無償化で、何が変わったか

ここは誤解が多いところなので、変わる前と後を並べます。

2026年度(令和8年度)から、高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃されました。国立高専の本科1〜3年生に対する支給限度額は、年234,600円です。

変わったのは「年収の目安が590万円以上の家庭」でした

世帯年収の目安2025年度まで2026年度から
590万円未満234,600円(すでに授業料と同額)234,600円
590万〜910万円未満118,800円234,600円
910万円以上0円(対象外)234,600円

(文部科学省「令和8年度からの高等学校等就学支援金 新制度の概要」より。国立高専・本科1〜3学年の場合)

無料になるのは授業料だけです

とくに見落とされるのが、教科書と作業服です。我が家は新年度に5万円程度かかりました。

高専は実習があるので、作業服や実習で使うものが要ります。そして教科書は、学年が上がるたびに買い直しです。

「授業料が無償になったから、4月はお金がかからない」——ここは、そうではありません。

めぐりん めぐりん

「高専も無償化になったんでしょ?」と言われることが増えました。なったのは授業料です。寮に入るなら、そこから月5〜6万円が始まる——ここは分けて考えたほうが、計画が狂いません。


7. 遠方の寮を選んだ家庭として、伝えたいこと

数字の話はここまでです。最後に、表には出てこないけれど、いちばん効いたことを3つ書きます。

🚨 交通費は、多めに置いてください

我が家は、帰省と、体調を崩したときのぶんを合わせて年30万円を用意しています。多めの見積もりです。

寮費や授業料は調べれば出てきます。でも「今年、何回帰ってくることになるか」は、誰も教えてくれません。 だから多めに置く。これが我が家の結論です。

交通費は、甘く見積もると本当に大変です。

請求は、1本にまとまっていません

これも調べても出てきませんでした。寮のお金は、まとめて1回で請求されるとは限りません。

我が家の場合は、寮費が半年に1回、食費は毎月。項目によって周期が違います。

月5万円と聞いていると「毎月5万円が1回引かれる」と思いがちですが、実際には半年分がまとまって出ていく月があります。年払いのものがあれば、その月も同じです。

金額と時期だけは、カレンダーに入れておくと慌てません。

(払い方は学校によって違います。月払い・年払い・前期後期など、必ず志望校に確認してください

寝具は「入るとき」ではなく「出るとき」で決まりました

寝具のレンタルを用意している学校もあります。ただ、ここは「借りられるなら安い」とは限りません。

最初5年トータル
持ち込みかかる安くなりやすい
レンタル軽い高くなりやすい

(どちらが安いかは、レンタル料・利用年数・送料・処分費で変わります。必ず5年分で計算してください

我が家が計算したときは、金額だけなら持ち込みのほうが安いという結果でした。それでもレンタルにしました。

めぐりん めぐりん

遠方なので、布団を運ぶ手段がないんです。大型の荷物なんですよね。寮を出るときに、持って帰れない。 かといって現地で処分するのも困る。それでレンタルにしました。

つまり決め手は、入るときではなく「出るとき」でした。5年後にこの布団をどうするか——そこまで考えると、答えが変わることがあります。

希望制の費用も、5年の計画に場所を空けておく

学校によっては、希望者向けの短期海外研修があります。我が家が実際に払った額で、1回20〜30万円。学校からの補助が出る場合もあり、そのときはここから下がります。

めぐりん めぐりん

希望制なので「行かなくてもいい」のですが、行きたいと言われたときに出せるかどうか。 しかもこういうお金は、出発前にまとめて払うことが多いんです。「行ってから精算」ではありません。

金額を計画に入れなくてもいいので、「そういうものがある」ということだけは頭に置いておくといいと思います。

最後に:お金の情報は、口コミで回っていることがあります

これが、この記事を書こうと思った本当の理由かもしれません。

私は、研修に補助金が出ることを知りませんでした。 学校の案内で見つけたのではなく、入学が決まったときに、先輩の保護者に聞いて初めて知りました。

めぐりん めぐりん

正直に言うと、最初にこの計算をしたとき、目を背けたくなりました。 「そんなにかかるんだ」って。

でも、目を背けても金額は変わらないんですよね。だから先に見える化して、いつ何にかかるかを知っておくほうが、あとで慌てないと思って、この記事を書きました。


8. 入学前に確認しておきたい6つ

数字を追いかけるより、この6つを志望校に聞くほうが早いです。


まとめ

寮生活そのものは、うちの娘にとってはいま一番楽しい場所になっています。お金の話は重たいけれど、先に見ておけば、あとは安心して送り出せると思っています。


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