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高専女子は後悔する?現役生の答えは「した、でも」だった
高専生活 📅 (更新: ✏️ めぐりん

高専女子は後悔する?現役生の答えは「した、でも」だった

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高専女子は少ない?母として最初に不安だったこと

娘が高専に興味を持ったとき、私が最初に気になったのは「女子はどれくらいいるの?」ということでした。

高専というと、理系、工業、男子が多い学校というイメージがありました。

娘本人が行きたいと言っていても、親としては、

「女子が少なくて大丈夫かな」
「友達はできるのかな」
「男子が多い環境で浮かないかな」

と、正直かなり不安でした。

今でこそ「高専女子」という言葉を前向きに受け止めていますが、入学前の私は分からないことだらけでした。


娘に聞きました|高専女子のリアル(在学中の本音)

ここから先は、私の推測ではありません。高専に通っている娘本人に、質問して答えてもらったものです。

ここからは、娘が通う高専での一例です。学校・学科・寮によって環境は違いますが、本人が実際に感じたことを、できるだけそのままの言葉で紹介します(読みやすさのために、改行と句読点だけ整えています)。

Q. 入学前、「女子が少ないこと」で不安だった? 実際どうだった?

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高専に入るまで男子と話したことがあまりなく、学校で話す機会があってもうまく話せないんじゃないかという不安がありました。しかも男子ばかりと聞くから友達があまりできないかもと思うことも。実際に入学してみると、不安が当たっているところも、外れているところもありました。

当たっていたこと

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授業でグループ活動がある時とかに、女子一人で他全員男子という班だったりするときが少なくなく、男子間のノリなど男子の話題についていけずに悩むことがありました。

外れていたこと

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高専の男子はあまり女子と話したことがない人ばかりで交流が深められないと思っていたのですが、思ったよりもフレンドリーな男子も多く、仲いい男子がたくさんできたところです。これは私の運がよかったのもあり、席が近く授業でもよく関わる男子たちがとてもフレンドリーで、休日も男女で遊びに行ったり一緒に勉強したりする仲になれました。後期に入ってからも新しい男子たちと仲良くなり、二学年になった今も、同じクラスの人ともクラスが離れた人とも仲がいいです。

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「男子ばかりで浮くのでは」という私の心配は、半分当たって半分外れていました。グループ分けの場面は実際にしんどい。でも人間関係そのものは、思ったより開けていた。この温度差は、外からは見えませんでした。

Q. 女子が少なくて「困ったこと」は?

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体育祭の時などは、男女混合競技と女子競技があって、女子はどちらにも参加できるのですが、男女混合の競技に出るとやはり男子の割合が多く、足手まといになってしまったり太刀打ちできない場合が多く、女子は女子競技だけに出るという人が多いです。中学の時に比べるとクラス全員で戦っている感があまりなく、少し残念です。

めぐりん めぐりん

体育祭で「足手まといになってしまう」。この一文を読んだとき、少しだけ胸が痛みました。本人が悪いわけでも、誰が悪いわけでもない。ただ人数の問題なんですよね。こういうことは、パンフレットにも学校説明会にも出てきません。

入学前の不安のうち、当たったこと(女子一人で他は全員男子の班、体育祭で感じる力の差)と、外れたこと(男子もフレンドリーで友達はできた)を左右に並べた図

Q. 逆に、女子が少なくて「よかったこと」は?

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女子が少ないから、クラスの女子はみんなで仲が良かったです。中学までは女子が多かったから、話したことがなかったり、そこまで親密じゃない女子もいたのですが、高専に入ってからは体育も女子は女子でやったり、行事も女子で団結したりしたため、みんなと仲が良かったです。少ないからこそ、体育でみんなで競い合ったり、とても親密な関係になれました

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中学では「女子が多いのに、話したことのない子もいた」。高専では「少ないから、みんなと仲が良い」。人数が少ないことは、そのままマイナスにはならない——ここは私の予想を、いい方向に裏切ってくれました。

Q.「高専に来て後悔した」と思った瞬間は、正直ある?

ここは、いちばん聞きにくかった質問です。でも本人が正直に答えてくれました。

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中学からやっていた陸上部を続けたかった。自分ひとりで練習をたくさんして記録を伸ばせばいいと言われるかもだけど、中学の頃は気軽に話せる先生や、一緒に高めあえる友達やライバルがいたおかげでモチベが上がり、努力することができて記録も上がったと実感しました。

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高専に来て最初は「女子一人でもがんばれば」と意気込んでいたけど、先輩や同学年の男子、コーチと話すのは気も使うため常に緊張状態で、部活をするのがとてもつらかったです。普通高校だったら大好きな陸上を辞めずに続けていたかもと思うと、少し後悔しました。

娘が入った陸上部は、同学年も先輩も全員男子で、女子がいませんでした。話しやすい先輩や同じクラスの男子が気にかけてくれてはいたそうです。それでも——

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同性がいないため、気軽に話せて一緒に頑張れるようなライバル的存在もおらず、やる気が出なかったり部活に行くのが苦痛になり、部活を続けることを諦めました。

Q. それでも高専を選んでよかったと思うのは?

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二つあります。ひとつは部活には数個入れることです。そのため陸上部を辞めた時、もう一方のデザコン部という部活に専念することができました。自分の興味がある建築についてコンペなどを通して、みんなが二学年になって専門的なことを学ぶよりも一段階早く建築に関われて、しかも同じクラスの友達もいるから一緒に頑張れて楽しいです。

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二個目は、友達と目指す将来が同じことがあるから一緒に頑張れる。わたしの周りにいる友達は私と同じで建築に興味があり建築学科に進んだ人が多いため、進路がバラバラな普通高校よりも、将来に向けて一緒に頑張っていける素晴らしい学校だと思います。

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辞めた部活の話のすぐ後に、本人がこれを書いてきたことに、私は少し救われました。失ったものはあった。でも、そこで終わっていなかった。部活を複数かけもちできる仕組みが、結果的に受け皿になっていました。

女子部員がいない中で退部した陸上部と、次の居場所になったデザコン部を左右に並べ、失ったものは残ったうえで次があったことを示す図

Q. 中3の自分に戻れたら、何を言いたい?

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普通高校と違って生徒じゃなくて学生だから、自分から進んで先生とコミュニケーションを取ったり、課題の期限とかも自己責任だから、提出日とかは自分なりに忘れないようにしておくのが大切。

めぐりん めぐりん

「生徒ではなく学生」。高専の5年間を、これほど短く言い表す言葉はないと思います。先生が全部お膳立てしてくれる場所ではない。だからこそ、自分で動ける子には合うのだと思います。


娘に聞いた、寮生活のリアル

女子が少ない環境に加えて、県外進学だとという不安が重なります。ここも本人に聞きました。

「いま学校生活でいちばん楽しいことは?」と聞いたら、返ってきた答えは「寮生活」でした。

めぐりん めぐりん

正直、意外でした。県外に送り出すとき、いちばん心配していたのが寮だったからです。授業でも部活でもなく、寮が一番楽しいと本人が言う。1年前の私に教えてあげたい答えでした。

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寮での生活が一番楽しいと感じます。 寮は親元を離れて、今までやってもらうのが当たり前だった洗濯や掃除を自分でやらないといけなくなります。低学年は二人部屋で、同室の人と合う合わないの問題があったりストレスもたまりやすいと思います。また点呼や食事、お風呂など決められた時間に行うため、規則正しくルールもあり、守らないと罰則もあります。きちんとした生活を送りながら、親の目がない環境で勉強にも励まないといけない大変な生活ですが、今は寮生活がとても楽しいです。

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わたしも一年生の時は同室の人との相性に悩み、寮が気が休まらない場所だと感じていました。 でも部屋替えのあとは、気の合う友達と過ごせるようになりました。

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学校で何かあった日にも気持ちを切り替えられるので、部屋が居心地のいい場所になっています。一年で家族よりも一緒にいる時間が長いため、友達よりも姉妹のような関係です。勉強も一緒に高めあえるライバルのような存在なため、とても恵まれた環境で楽しく過ごしています。

1年生のときに同室の相性で悩み、部屋替えのあと気の合う友達と過ごせるようになった流れと、入寮前に確認したい3つ(部屋替えの有無・部屋変更の可否・困ったときの相談先)を示す図

娘に聞いた、普通科の友達との違い

「高専に行くと、普通の高校生活を諦めることになるのでは」——これも、親としてよぎった不安でした。

うらやましいと思うこと

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うらやましいと思うことは、修学旅行や校外学習でクラスの人との仲を深めていることです。高専は校外学習や修学旅行がなく、クラス仲を深める機会が、普通高校と同様の体育祭や文化祭などしかないです。

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ただ高専は学科が決まると卒業までクラスが同じなため、行事というより一緒にいる時間の長さで仲良くなります。

こっちのほうがいいと思うこと

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専門の授業とかだと実際に体験して学ぶ実習があるため、そのときの班で仲良くなったり。あと、普通高校ではあまり機会がない海外研修に行く機会がとてもあることです。わたしの学校では、年に3回ほど海外研修の募集があります。海外にいる同じ高専生と交流ができ、現地で高専の授業を受けたり、貴重な体験ができます。海外に一緒に行く同級生と仲よくなれるのはもちろん、海外のお友達もできて、とてもいい思い出になります。

めぐりん めぐりん

修学旅行がないことは、正直さみしいだろうなと思っていました。でも海外研修に応募できる機会があると聞いて、見方が変わりました(回数や内容は学校によって違います)。行事の数ではなく、同じ仲間と長く過ごす時間で関係ができていく。娘はそこに高専らしさを感じているようでした。


「進路が狭まる」は本当? 現役生の答え

高専は学科を先に決めます。「15歳で将来を決めさせるのはかわいそう」「進路が狭まる」——よく言われることです。本人はどう感じているのか、聞いてみました。

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たしかに普通高校に比べたら、ころころ進路を変えるのは難しいし、学科に入ったらその学科に関連する進路にしか進めないかもだけど、周りの同級生はもうすでに進路が決まっている人もいれば、興味がある学科に入っただけでまだ進路が考えられない人もいる。やりたいことが見つかってない人の方が多そう。

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だから、やりたいことが見つからない人とか、何かに興味を持ちたい人もうすでに具体的に進路を決めてる人とかにはおすすめだとおもう。

これは、私にとって意外な答えでした。

「やりたいことが決まっている子が行く学校」だと思っていたのに、本人は「やりたいことが見つからない人にもおすすめ」と言う。

めぐりん めぐりん

理由を聞くと、学科に入ってから興味が育つことがあるからだそうです。中学生の時点で、完璧に決まっている必要はない。「まだ決まっていないから高専はやめておこう」と考えていたご家庭には、少し違う景色かもしれません。


高専女子で親が確認しておきたいこと

とはいえ、女子が少ない環境に進むなら、親として確認しておきたいことはあります。

高専は5年間通う学校です。

県外進学や寮生活が関わる場合は、なおさら生活面の確認も大切になります。

私なら、次のような点を確認します。

1. 志望学科の女子人数

高専全体の女子比率だけでなく、志望学科に女子がどれくらいいるかを確認した方がいいです。

同じ学校でも、学科によって女子の人数はかなり違うことがあります。

2. 女子寮の有無や設備

県外高専を考えている場合は、女子寮の有無や設備も大切です。

部屋の形式、門限、食事、セキュリティ、通学のしやすさなど、親として気になる点は確認しておきたいです。

3. 女子トイレ・更衣室などの環境

女子学生が少ない学校では、女子トイレや更衣室などの環境も気になります。

高専機構では、女子学生・女性教職員のための環境整備にも触れています。

親としては、オープンキャンパスや学校説明会で、施設面も確認しておくと安心です。

4. オープンキャンパスで女子学生に話を聞けるか

もし可能なら、在校生の女子学生に話を聞けるとかなり参考になります。

パンフレットや公式サイトだけでは分からない、学校の空気感が見えるからです。

「女子はクラスにどれくらいいますか?」
「友達は作りやすいですか?」
「寮生活で困ったことはありますか?」

こういう質問は、実際に通っている学生に聞くのが一番リアルだと思います。

5. 部活・同好会・クラスの雰囲気

女子が少ない場合でも、部活や同好会でつながりができることもあります。

クラスだけでなく、学校全体でどんな居場所がありそうかを見るのも大事だと思います。


高専は男子が多い。でも女子学生を増やす取り組みもある

ここまで娘の話でしたが、国や学校の側も動いています。数字と制度も見ておきます。

高専は、学校や学科によって男女比に差があります。

特に機械系・電気系などでは、女子が少ない学科もあると思います。

高専を調べ始めたころの私は、そこばかりが気になっていました。

でも調べていくと、国立高専機構でも女子学生の受け入れや、女子学生が学びやすい環境づくりに取り組んでいることを知りました。

国立高専機構は、ダイバーシティ推進の中で、入学者に占める女子比率35%以上を目標に掲げています。

つまり、高専側も「女子が少ない現状」を課題として見ていて、女子学生が学びやすい環境づくりを進めているのだと感じました。


女子高専生の活躍の場もある

高専機構の資料を見て、私が印象に残ったもののひとつが、GCONです。

GCONは「高専GIRLS SDGs × Technology Contest」のことで、女子高専生の社会的な価値の認知や活躍の場を広げることを目的に行われています。

高専機構の資料では、日々行っている研究や学んでいる技術に、SDGsの理念を理解し、未来の研究者・技術者としての成長を期待して、社会課題解決に向けた技術開発のアイデアを競うものとして紹介されています。

私はこれを見て、

「女子が少ないだけではなく、女子高専生が活躍する場も作られているんだ」

と感じました。

高専女子は少数派かもしれません。

でも、少数派だからこそ、活躍の場を広げようとする取り組みがあることは、親として少し安心材料になりました。

高専女子の活躍の場「GCON」(高専GIRLS SDGs × Technology Contest)活動まとめ

女子が少ないことより「本人に合う環境か」が大事

高専女子が少ないことは、たしかに親として気になります。

私もそこはかなり心配しました。

でも最終的には、女子が多いか少ないかだけではなく、

「本人が学びたいことがあるか」
「その学校の雰囲気に合いそうか」
「5年間通うイメージが持てるか」
「困ったときに相談できる環境があるか」

を見ることが大事だと思います。

女子が少ないから不安。

その気持ちは自然です。

でも、それだけで高専を候補から外してしまうのは、少しもったいないかもしれません。

大切なのは、親が不安を不安のままにせず、情報を集めて、子どもと一緒に考えることだと思います。


まとめ|高専女子は少数派。でも可能性はちゃんとある

娘に聞いて分かったことを、最後に整理します。

「高専女子は後悔するか」——この問いへの、わが家の答えはこうです。

後悔する場面は、ありました。 でもそれは「女子だから高専は無理」ということではなく、入学前に確認できたはずのことでした。学科の女子人数は調べていたのに、部活の男女比までは見ていなかった。そこが私の反省です。

高専女子は少数派かもしれません。でも、少数派だからこそ生まれる濃い関係も、同じ将来を目指す友達と一緒に頑張れる環境も、実際にありました。

大切なのは、女子が多いか少ないかだけで決めないこと。そして——「その環境で、この子が続けたいことを続けられるか」を、入学前に一つずつ確認しておくことだと思います。

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