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高専生にTOEICは必要?57校中44校が単位に使う実態と目標点
高専ライフ 📅 (更新: ✏️ めぐりん

高専生にTOEICは必要?57校中44校が単位に使う実態と目標点

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「高専って、英語はあまりやらないんでしょう?」

正直に言うと、受験のときの私はそう思っていました。理系の学校だから、数学と物理と専門科目——英語は片手間なんだろう、と。

まったく逆でした。

娘が入学して驚いたのは、TOEICの存在感です。学校ぐるみで受ける。何点を目指すか、はっきり言われる。それが単位につながる。

気になって全国の高専を調べてみたら、これは我が家だけの話ではありませんでした。


1. 高専の77%が、TOEICを単位認定に使っている

TOEICを運営するIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が、全国の大学・短大・高専を調べた公式調査があります。その結果が、はっきりしていました。

57
調査した高専の数
44
TOEICを単位認定に活用
77%
高専の活用率
TOEICを単位認定に活用している学校の割合(学校種別)(%)
18.5短期大学 43大学 77.2高等専門学校
IIBC「TOEIC Program 単位認定における活用状況」2021年度調査より算出(大学776校中334校/短大302校中56校/高専57校中44校)

高専の77%は、大学の43%のおよそ1.8倍。 学校の種類の中で、高専がいちばんTOEICを制度に組み込んでいます。

理由を考えると、腑に落ちます。高専は5年間で技術者を育てて、そのまま社会に出す学校です。「実務で使える英語」を測るTOEICと、目的が一致しているのだと思います。


2. 実際に、どの高専が、何点で単位をくれるのか

同じ調査には、高専の名前と基準スコアが実名で載っています。いくつか抜き出してみます。

高専対象基準スコアと単位
石川高専全学科400点→1単位/470→2/600→3/730→4/795→5/860→6
岐阜高専全学科1〜5年400→2単位/470→3/600→4/730→5/860→8
豊田高専全学科1〜5年400→1単位/450→2/500→3/570→4/650→5/730→6
鈴鹿高専全学科1〜5年470→1単位/600→2/730→3/790→4/860→5
和歌山高専全学科1〜5年470→2単位/730→4/860→8
大分高専全学科1〜5年450→1単位/550→2/700→4/800→6
熊本高専4年5年4年で500→2単位/5年で600→2単位
群馬高専3年・専攻科1年400→1単位/…/550→3/650→4/…/950→8
有明高専全学年(1〜5年)350→1単位/450→2/550→3
新居浜高専全学年400→1単位/500→2/700→4/850→6

(出典:IIBC「TOEIC Program 単位認定における活用状況 −大学・短期大学・高等専門学校−」/2021年度調査。最新の扱いは各高専の公式サイトで必ずご確認ください)

ここから見えてくることが、3つあります。

① 「1〜5年生」が対象の高専が多い

岐阜・豊田・鈴鹿・和歌山・大分などは、入学した1年生から対象です。「編入や就職が近づいてから」ではなく、入った年から始まっている

② 学年が上がると、基準も上がる

熊本高専は、4年生で500点、5年生で600点と、学年ごとに求められる点が上がります。段階的に引き上げる設計です。

③ 単位より重い使われ方をしている高専もある

  • 石川高専:専攻科で、TOEICをJABEE認定教育プログラムの修了要件にしています。単位のおまけではなく、修了の条件です
  • 津山高専:総合理工学科3〜4年で、成績評価にIPテストの結果を10%加えて評価すると明記されています

3. 何点を目指せばいいのか

目標スコアは、目的によって変わります。調べた範囲で、目安を並べます。

550
企業が新入社員に期待する平均
600
編入・単位認定のボリュームゾーン
730
多くの高専で上位の単位認定ライン

就職を考えるなら

IIBCの企業向け調査では、企業が新入社員に期待するTOEICスコアの平均は550点でした(IIBC「英語活用実態調査」)。中途採用ではさらに高い水準が挙がっています。

高専生は求人倍率がとても高い一方で、行きたい会社を選べるかどうかは別の話です。英語のスコアは、5年間の成績とちがって「あとから足せる持ち点」でもあります。

大学編入を考えるなら

編入では、当日の英語筆記の代わりにTOEICスコアを提出する大学が主流です。北海道大・東北大・名古屋大・大阪大・筑波大・神戸大などがこの方式。北海道大は「TOEIC600点を100点満点の80点に換算」と、換算の目安まで公表しています。

▶ 志望校ごとの英語の扱いは、高専から大学編入できる15大学の比較記事にまとめました。

単位認定を考えるなら

上の表を見ると、600点前後が「まとまった単位がつく」ラインで、多くの高専に共通しています。まず600点、というのは現実的な最初の目標だと思います。


4. 高専生の平均は349点。だから600点には意味がある

ここで、少し意外なデータを紹介します。

学校区分別 TOEIC IPテスト平均スコア(点)
349高専 410高校 445大学 524大学院
2011年度 TOEICテスト DATA&ANALYSIS(IPテスト・高専は16,951人)。古い調査のため参考値としてご覧ください

高専生の平均は349点で、実は高校生より低い——この数字だけ見ると不安になります。でも、読み方には注意が必要です。

IPテストは、学校で全員が受けるものです。 一方、公開テストは「受けたい人」が自分で申し込んで受けます。そもそも母集団が違うので、「高専生の英語力が低い」と読むのは正しくありません。

そして同じ調査で、もうひとつ興味深い動きがありました。

この動きを知っておくと、「1〜2年生のうちに触れておく」ことの意味が分かります。3〜4年は忙しい。5年からでは、編入のスコア提出期限に間に合わないこともある。

そして裏返せば——平均349点の中で600点を取れれば、それは学校の中でかなり上位だということです。目指す価値のある数字だと思います。


5. 見落としやすい落とし穴:学校のIPテストが使えないことがある

これは、調べていていちばん「知らなかった」と思ったことです。

高専で全員が受けるのは、多くの場合IPテスト(学校が日時と場所を決めて団体で受けるもの)です。ところが、大学編入では「公開テストのスコアのみ有効」としている大学があります。

大学明記されている条件
神戸大学TOEIC L&Rのスコア提出。IP・国外受験・S&Wは不可。2025年4月以降の公開テスト分のみ有効
東京科学大学2027年度から筆記廃止→スコア提出へ。IP・ITPなど団体受験は不可=個人で公開テストを

さらに、スコアには有効期限があります。神戸大は「2025年4月以降」、東京科学大は「2025年4月1日以降の受験分」、筑波大は「令和6年6月以降」。受けたいと思ってすぐ受けられる試験でもありません(申込から受験、スコア到着まで日数がかかります)。


6. じゃあ、何から始めるか

英語が得意ではない子ほど、単語で止まっていることが多いそうです。TOEICは出る単語がかなり決まっているので、ここは近道が使えます。

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そのうえで、一度は本番と同じ形式で解いておく。TOEICには公開されている過去問がありません。その代わりになるのが、試験を作っているETS自身が本番と同じ手順で作った公式問題集です。

公式TOEIC Listening & Reading 問題集 12(ETS)

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2025年10月発売の最新刊。模試2回分+本番と同じ公式スピーカーの音声つき。


7. まとめ

めぐりん めぐりん

「理系だから英語はほどほどでいい」——受験のときの私の思い込みでした。実際は逆で、高専のほうが英語を制度に組み込んでいた。知らないまま5年生になると、選べる進路が減ってしまうかもしれません。

うちの娘も、これから本格的に向き合うことになります。実際に受けてみて分かったことは、そのときにまた追記します。


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